与信調査とは?|やり方と、信用調査会社・自分でできること・探偵の違い
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これから取引を始める会社の支払い能力を確かめたい。掛け取引を認めても大丈夫な相手なのか、決める前に見ておきたい。与信調査という言葉は聞くけれど、何を、どこまで、どうやればいいのか分からない。そんな状況で、このページを開いた方が多いと思います。
結論から言うと、与信調査の本丸は、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査会社による書面調査です。相手の財務内容・信用格付・支払い状況といった「数字」は、ここで確かめるのが基本になります。
その手前に、法人登記・官報・決算公告・ネット検索など、自分でできる確認があります。ここまでが「書面・データで確かめる」世界です。探偵の実地確認が力を発揮するのは、この書面の確認で「実態が見えない」「灰色」となったとき——会社が登記どおりに実在して稼働しているか、代表者や共同経営者の人物像・素行・別事業の実態はどうか、といった外から確かめる部分に絞られます。
この記事では、与信調査とは何か、自分でできるやり方、信用調査会社の書面調査、探偵の実地確認が要る場面、費用の目安までを、公開情報ベースで整理します。
先に結論:与信調査は3つの層で考える
✓ ここが要点
与信調査は、1つの方法で完結しません。手前から順に、3つの層で考えると迷いません。
まず自分(自社)で・無料〜低コスト → 法人登記、官報、決算公告、ネット検索。会社の実在や倒産歴を確かめる入口 本丸は信用調査会社の書面調査 → 帝国データバンク・東京商工リサーチなどが、財務内容・支払い状況・信用格付をもとにした信用情報を提供 書面で「灰色」のときだけ探偵の実地確認 → 会社・店舗の実在と稼働、代表者・共同経営者の人物像・素行・別事業の実態の外形確認
大切なのは順番です。いきなり探偵、ではありません。まず自分でできる確認と信用調査会社の書面で「数字と登記」を押さえ、それでも実態や「人」の部分が見えないところを実地で補う。この流れを持っておくと、費用をかけずに多くのことが確かめられます。
会社ごとに料金の出し方や届出の開示ぶりを先に見比べたい場合は、探偵社の情報開示スコアを入口にする方法もあります。
そもそも与信調査とは・なぜ必要か
与信調査とは、取引を始める前や継続するときに、相手に支払い能力があるか、信用してよいかを確かめる取り組みです。
「与信」とは、相手を信用して、代金の後払いや掛け取引を認めることをいいます。商品やサービスを先に渡し、支払いはあとで受け取る——この形は、相手が約束どおり支払ってくれることを前提にしています。もし相手の支払いが滞れば、売掛金が回収できず(焦げ付き)、自社の資金繰りに響きます。取引が大きいほど、その痛手も大きくなります。
だからこそ、取引の可否や、取引金額の上限(与信限度)を、相手の信用の実態にもとづいて判断する必要があります。これが与信調査であり、日々の与信管理の入口です。取引を始めたあとでは引き返しにくいため、決める前の確認に意味があります。取引先調査の全体像と役割分担は、取引先・共同経営者の信用調査は探偵に頼める?でも整理しています。
自分でできる与信調査のやり方
まずは、お金をあまりかけずに自分でできることから。ここを飛ばして信用調査会社や探偵に頼むと、費用の割に得られる情報が偏ります。
法人登記を確認する
法務局や登記情報提供サービスで、会社が本当に登記されているか、代表者・設立時期・本店所在地・資本金などを確認します
官報を確認する
破産・民事再生などの公告が載ります。過去の倒産歴などの手がかりになります
決算公告を確認する
株式会社には決算公告の義務があります。官報や会社のサイトで、貸借対照表などが公告されている場合があります
ネットで検索する
会社名・代表者名に「トラブル」「行政処分」などを組み合わせて検索し、公開されている情報を確認します
所在地の実体を見る
登記上の住所に事業所の実体があるか、地図やストリートビュー、可能なら現地で確かめます
これらは、専門の会社に頼まなくても自分でできることばかりです。まずはここで、明らかな問題がないか、会社が実在するかを確かめます。
与信調査の本丸は、信用調査会社の書面調査
自社での確認は入口として大切ですが、財務内容や支払い状況の「数字」までは、公開情報だけでは見えにくいものです。ここを担うのが、信用調査会社の書面調査です。
✎ 私の調査メモ
信用調査会社の書面調査でわかることの整理です(2026年7月時点の一般的な整理です)。
- 帝国データバンク・東京商工リサーチなどの信用調査会社が、財務内容・取引実績・支払い状況をもとにした信用情報(企業概要・信用格付・評点を含む書面)を有料で提供しています
- 相手の会社の規模、業績の推移、取引銀行、支払いぶりの傾向などを、第三者がまとめた形で確認できます
- 料金は、簡易な報告から詳細な調査報告まで内容によって幅があり、会社ごとに料金体系が分かれます(見積もりで確認します)
(出典:帝国データバンク・東京商工リサーチ 各社の提供内容/2026年7月確認)
相手の「数字」と「信用の傾向」を確かめたいなら、まずこの書面調査が本丸です。反社会的勢力とのつながりを確かめる反社チェックも、新聞記事のデータベース検索や専用サービス、自社での確認といった書面のスクリーニングが入口になります。自分でできる反社チェックの具体的なやり方は、反社チェックのやり方で詳しく整理しています。
書面で「灰色」のときは、探偵の実地確認
書面調査と自社の確認で「数字と登記」は押さえられます。ですが、書面には表れにくい部分もあります。そこが探偵の実地確認の出番です。
探偵の仕事は、探偵業法で「面接による聞込み、尾行、張込みなどの方法で、特定の人の所在や行動を調べ、依頼者に報告すること」と定められています。与信調査の文脈では、次のような外形的な事実が対象になります。
- 会社や店舗が、登記どおりの場所に実在し、実際に営業・稼働しているか
- 代表者・役員・共同経営者・出資先の人物像、素行、交友関係、別に営んでいる事業の実態
- 反社会的勢力とのつながりをうかがわせる、外から見える兆候
たとえば、書面上は問題がなさそうでも「登記はあるのに営業実態が見えない」「代表者に別の顔がある気がする」といったとき、実際の姿を外から確かめるのが実地確認です。
ただし、探偵にも越えられない線があります。相手の会社の財務内容や信用格付を書面で査定するのは信用調査会社の役割で、探偵の領分ではありません。他人名義の銀行口座の残高や預金の取引を無断で調べることは、違法性が高く、合法な手段には含まれません。取引先調査で探偵にできること・できないことの詳しい整理と、費用の目安は、取引先・共同経営者の信用調査は探偵に頼める?にまとめています。
やってはいけない与信調査
与信調査は、やり方を誤ると、相手の人権を侵害したり、かえって自分が不利になったりします。ここは大事なところです。
! ここに注意
与信調査で、してはいけないこと・頼むと筋が悪いことがあります。
- 銀行口座の残高や預金取引を無断で調べる → 違法性が高く、合法な調査には含まれません。財務は信用調査会社や公開情報(登記・官報)の領域です
- 出自・国籍・病歴・思想信条を、取引を妨げる目的で調べる → 探偵業法で禁じられています。与信調査は「取引の安全のための事実確認」の範囲にとどめ、差別につながる調べ方はしません
- 「相手が支払えるかを確実に見抜ける」といった約束を信じる → 成果を保証する表現には注意が必要です。調査はあくまで「判断材料を増やす」ためのものです
- 「未回収の代金を取り戻す」「回収する」とうたう業者に頼む → 代金の回収や契約解除は弁護士(や法務大臣認可のサービサー)の役割で、調査業者が代理すると弁護士法72条にふれます
取引するかどうかの判断はご自身の経営判断です。契約や、こじれた後の対応が必要になったときは、弁護士につなぎます。
与信調査・信用調査会社・探偵・弁護士の役割分担
だれに何を頼むのか、一覧にすると整理できます。
| 誰が | 主に担うこと |
|---|---|
| 自分(自社) | 法人登記・官報・決算公告・ネット検索での一次確認、反社チェックの入口 |
| 信用調査会社 | 財務内容・取引実績・支払い状況をもとにした書面の信用情報(帝国データバンク・東京商工リサーチなど)=与信調査の本丸 |
| 探偵 | 会社・店舗の実在と稼働の実地確認、代表者・共同経営者・出資先の人物像や素行・別事業の実態、反社の兆候の外形確認 |
| 弁護士・法テラス | 契約内容の法的な妥当性の判断、契約解除・債権回収・損害賠償・示談の代理 |
| 警察・暴追センター | 反社会的勢力が具体的に疑われる場合の相談 |
※ 表は横にスクロールできます
大きな取引や、加盟・共同経営のように長く続く関係ほど、この複数の役割をまたいで動く必要があります。実地確認を探偵に相談するときも、「うちのケースは、どこまでが信用調査会社や自分の領域で、どこからが探偵・弁護士か」を最初に整理してくれる会社を選ぶと、無駄な費用と遠回りを避けられます。
取引前の実態確認を相談できる探偵社
書面で実態が見えないときの実地確認を相談したい場合に向けて、企業向けの調査を扱い、料金や届出の情報を公開している探偵社を紹介します。どこも無料で相談でき、契約は不要です。選ぶときは、「与信の本丸は信用調査会社の書面、実地確認は探偵、回収や契約は弁護士」という線引きを正直に説明してくれるかを、目安にしてください。
企業向けの調査で「人物像・交友関係」を対象に挙げ、全国に拠点がある会社です。相手の代表者や共同経営者といった「人」の実態を確かめたい場合に向いています。裁判の証拠として使える報告書を掲げています。
原一探偵事務所
- 探偵業届出済
- 全国対応
- 実額を公開
株式会社原一(1977年設立・業歴およそ49年)/全国に拠点
- 料金
- 時間制・定額などの実額を公式サイトで公開
- 届出
- 探偵業の届出あり/行政処分の公表なし
- エリア
- 全国対応
- 気になる点
- 規模が大きいぶん費用は安くはない。見積もりの内訳(経費が込みか別か)を確認
- 相談は無料
- 契約は不要
取材記事によれば、企業どうしの取引・出資・買収の前の企業調査(デューデリジェンス)や反社の関わりの調査を扱うとされ、時間あたりの料金を実額で公開している会社です。
MJリサーチ
- 時間単価を実額で公開
- 12拠点の届出番号を公開
- 余った時間は返金
株式会社MJリサーチ(法人番号あり)/全12拠点の届出番号を公開・調査業協会の正会員
- 料金
- 基本44,000円+調査員1名1時間8,800円(税込)・時間単価を公開
- 届出
- 全12拠点の届出番号をテキストで公開/行政処分の公表なし(確認範囲)
- エリア
- 全国対応(12拠点)
- 気になる点
- 特商法の表示ページがなく途中解約の条項は非公開。完全成功報酬プランはなし。総額は予算に合わせた見積り型で、本社は賃貸ビルの一室(2020年設立)
- 相談は無料
- 契約は不要
企業・個人の信用調査として「これから取引を始める会社を調べたい」「取引先が反社とつながっているようだ」といった相談を公式に挙げ、企業調査の事例費用を公開している会社です(現在、当サイトからの相談リンクは準備中で、下のボタンは公式サイトへの案内です)。
HAL探偵社
- 届出番号を公開
- 全国対応
- 成功報酬プランあり
株式会社HAL(2012年設立)/届出番号 東京都公安委員会 第30120353号を公開
- 料金
- 時間制1名1時間7,000円〜/成功報酬型のプランあり
- 届出
- 探偵業の届出番号を公開
- エリア
- 全国対応
- 気になる点
- 「成功」の意味と、経費(車両・機材)が別かどうかを契約前に確認
- 相談は無料
- 契約は不要
公式サイトへ移動します
くわしい確認結果を読む →企業向けの調査の比較や、探偵にできること・できないことの詳しい整理は、取引先・共同経営者の信用調査は探偵に頼める?と探偵社の比較にまとめています。
よくある質問
与信調査とは何ですか?
与信調査とは、取引を始める前や継続するときに、相手(取引先の企業や個人)に支払い能力があるか、信用してよいかを確かめる取り組みです。「与信」は、相手を信用して代金の後払いや掛け取引を認めること。もし相手の支払いが滞れば、売掛金が焦げ付いて自社の資金繰りに響きます。それを防ぐために、相手の財務内容・支払い状況・経営の実態を事前に確かめ、取引の可否や取引金額の上限(与信限度)を判断する——これが与信調査であり、与信管理の入口です。取引を始めたあとでは引き返しにくいため、決める前の確認に意味があります。
与信調査は、どうやってやるのですか?
大きく3つの層で考えると整理できます。まず自分(自社)でできるのが、法人登記・官報・決算公告・ネット検索での確認です。会社が本当に登記されているか、倒産・破産の公告がないか、報じられた問題がないかを確かめられます。次に本丸となるのが、帝国データバンクや東京商工リサーチなどの信用調査会社による書面調査です。財務内容・取引実績・支払い状況をもとにした信用情報(信用格付や企業概要を含む書面)を有料で入手できます。そのうえで、書面では実態が見えないときに、会社が実際に稼働しているか、代表者の人物像はどうかを外から確かめる探偵の実地確認、という順番になります。
与信調査は探偵に頼むものですか?
与信調査の本丸は、信用調査会社の書面調査と、自分でできる登記・官報の確認です。相手の財務内容や信用格付といった「数字」は、探偵の領分ではありません。探偵の実地確認が力を発揮するのは、書面では判断がつかないときです。たとえば、登記はあるが本当に営業しているのか分からない、代表者に別の顔がある気がする、といった場面で、会社や店舗が実在して稼働しているか、代表者や共同経営者の素行・別事業の実態はどうかを外から合法に確かめます。相手の銀行口座の残高や預金取引を無断で調べることは、探偵にもできません(違法性が高いため)。
与信調査の費用はどれくらいかかりますか?
方法によって大きく違います。自社での法人登記・官報・ネット検索は、無料または低コストでできます。信用調査会社の書面調査は、内容や会社によって幅があり、簡易な報告から詳細な調査報告まで料金体系が分かれます(各社に見積もりを確認してください)。書面で実態が見えないときに頼む探偵の実地確認は、多くの会社が見積もり型で、「調査員の人数 × 時間 × 日数 + 経費」で決まります。企業向けの信用調査で、融資を受ける企業と代表者・役員を3日間調べた事例の調査費用を246,000円(税込)と公開している会社(HAL探偵社)もあります。まずは無料でできる範囲から始めるのが、費用を抑えるコツです。
与信調査で、やってはいけないことはありますか?
あります。相手の銀行口座の残高や預金取引を無断で調べることは違法性が高く、合法な調査には含まれません。財務は信用調査会社の書面調査や、登記・官報などの公開情報で確かめるのが基本です。また、代表者や共同経営者の出自・国籍・病歴・思想信条などを、取引を妨げる目的で調べさせることは、探偵業法で禁じられています。与信調査は「取引の安全のための事実確認」の範囲にとどめる必要があります。そして、取引するかどうかの判断はご自身の経営判断で、代金の回収や契約解除の代理は弁護士の役割です。「取り戻す」「回収する」とうたう調査業者には注意してください。
まとめ
- 与信調査とは、取引を始める前に相手の支払い能力・信用を確かめ、取引の可否や与信限度を判断する取り組み。焦げ付きを防ぐための、与信管理の入口
- 本丸は信用調査会社(帝国データバンク・東京商工リサーチなど)の書面調査。財務・支払い状況・信用格付という「数字」はここで確かめる
- その手前で、法人登記・官報・決算公告・ネット検索は自分で無料または低コストでできる。反社チェックの入口も自社の確認から
- 書面で実態が見えない「灰色」のときに、会社の実在・稼働、代表者や共同経営者の素行・別事業の実態の外形確認という部分で、探偵の実地確認が補助になる
- 銀行口座を無断で調べることや、出自・国籍などを取引を妨げる目的で調べることはできない。取引の可否は経営判断、回収や契約解除は弁護士の役割
与信調査は、いきなり誰かに頼む前に、自分でできることと、信用調査会社に頼む本丸が、はっきり分かれている分野です。まず登記や官報を押さえ、数字は信用調査会社の書面で、それでも実態や「人」の部分が見えないと感じたときに、探偵の実地確認という選択肢を思い出してください。相談は無料なので、費用の見当をつけるだけでも構いません。
参考情報
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov 法令検索)/警視庁「探偵業法の概要」
- 弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
- 政府「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(犯罪対策閣僚会議・2007年)/各都道府県の暴力団排除条例
- 法人登記(登記情報提供サービス)/官報/帝国データバンク・東京商工リサーチ 各社の提供内容(信用調査・2026年7月確認)
- HAL探偵社・原一探偵事務所・MJリサーチ 各公式サイト・取材記事(企業調査・信用調査・料金の記載/2026年7月確認)
- 相談窓口:各都道府県の暴力追放運動推進センター/警察相談専用電話#9110/法テラス(0570-078374)
- 当サイト調査記事:取引先・共同経営者の信用調査は探偵に頼める?/反社チェックのやり方/興信所と探偵の違い/探偵の料金/探偵社の情報開示スコア/探偵社の比較
決めるまえノート編集部
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