相続人が行方不明で遺産分割が進まないとき|戸籍でたどる正攻法と、探偵の所在調査の使い分け
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親の相続が始まったのに、連絡の取れない相続人がいる。長く音信不通の兄弟姉妹がいる。前妻とのあいだの子など、面識のない相続人がいるらしい。住所も連絡先も分からない親族がいる——。そんな状況で、遺産分割の手続きが止まってしまい、このページを開いた方が多いと思います。
相続人が一人でも欠けると、遺産分割協議は成立しません。しかも2024年4月から相続登記は義務になり、相続税の申告期限は10か月。のんびりしていられない事情も重なります。
結論から言うと、相続人を探す正しい順番は決まっています。まず、戸籍と戸籍の附票で最後の住所をたどり、手紙を出すことです。この戸籍の取り寄せは、弁護士や司法書士など士業の役割で、探偵にはできません。
そのうえで、「附票の住所に本人がいない」「手紙が返ってくる」というときに、探偵の所在調査が力を発揮します。逆に、故人の預貯金や口座など財産の調査は、探偵の領域ではありません。
この記事では、無料でできる正攻法から、探偵に頼む場面、見つからないまま期限が来たときの家庭裁判所の手続きまで、公開情報ベースで正直に整理します。
先に結論:まず戸籍でたどり、届かないときだけ探偵、手続きは士業
✓ ここが要点
相続人を探すときの順番です。飛ばさず、上から進めるのが確実です。
戸籍・戸籍の附票で最後の住所をたどる → 士業(弁護士・司法書士など)の役割。無料の正攻法の入口 最後の住所に手紙を出す → 本人に届けば連絡がつくことも多い 附票の住所にいない・手紙が返ってくる → 探偵の所在調査(今どこにいるかを外から合法に確認) それでも見つからない → 家庭裁判所へ。不在者財産管理人の選任、または失踪宣告(申し立ての代理は弁護士) 故人の財産(預貯金・口座)の調査 → 探偵ではなく、相続人本人・弁護士会照会・税理士のルート
探偵が力を発揮するのは、「戸籍でたどったが、その住所に本人がいない」という壁を越える場面です。順番を飛ばして最初から探偵、ではありません。
どこに頼むか迷う段階なら、会社ごとに料金や届出の開示ぶりを先に見比べておくと選びやすくなります。探偵社の情報開示スコアを入口にする方法もあります。
なぜ、急いだほうがよいのか
相続人探しには、時間の制約がついて回ります。事実として押さえておきます。
✎ 私の調査メモ
相続にかかわる主な期限です(2026年7月時点の一般的な整理です)。
- 相続登記の申請義務化:2024年(令和6年)4月1日から。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科されることがあります
- 施行前に発生した相続も対象で、その場合の期限は2027年3月31日までです
- 3年以内に遺産分割がまとまらないときは、いったん「相続人申告登記」で義務を果たしたとみなす簡易な手続きがあります
- 相続税の申告・納付は、相続の開始を知った日の翌日から10か月が期限です
(出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」/国税庁/2026年7月確認)
相続人が見つからないと、遺産分割協議が始められず、これらの期限に間に合わせるのが難しくなります。空き家になった実家の維持費もかかり続けます。だからこそ、正しい順番で早く動くことが大切になります。
まず試す、無料の正攻法
いきなり探偵、ではありません。多くの場合、まずは戸籍でたどる正攻法から始めます。
戸籍を集める
亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をそろえ、相続人が誰かを確定します
戸籍の附票で最後の住所を調べる
附票には住所の移り変わりが記録され、相続人の最後の住所が分かります
その住所へ手紙を出す
本人に届けば連絡がつくことも多く、まずここで解決する場合があります
士業に依頼する
戸籍や附票の取り寄せは、弁護士・司法書士・行政書士・税理士などが職務として行えます。相続人が多い・古い戸籍が読めないときは専門家に任せると早いです
ここで大切なのは、戸籍謄本や住民票を職務として取り寄せられるのは士業だけ、という点です。探偵にはできません。相続人調査を扱う原一探偵事務所も、受けない調査として「戸籍謄本・住民票の取得」を明記しています(公式・2026年7月確認)。「探偵なら戸籍をたどれる」とうたう業者がいたら、避けてください。
それでも見つからないとき:探偵の所在調査
戸籍と附票で最後の住所は分かった。けれど、その住所に本人がいない。手紙が返ってくる。転居先が分からない——。この壁を越えるのが、探偵の所在調査です。
原一探偵事務所は、相続人調査として「長年連絡をとっていない親族」「家族が知らない相続権を持つ子ども」などを対象に挙げ、「限られた情報から現住所を割り出す調査力」を掲げています(公式・2026年7月確認)。附票でたどった手がかりをもとに、その人が今どこにいるかを、外から合法に確かめる調査です。
一方で、探偵にはできないこと、頼んではいけないことがあります。ここが最も大切な線引きです。
! ここに注意
探偵に頼めないこと・頼んではいけないことがあります。
- 戸籍謄本・住民票の取り寄せ → 士業の職務上の権限。探偵はできません
- 故人の預貯金の残高や口座取引の調査 → 探偵の業務ではありません(後述)
- 見つけた相続人との遺産分割の交渉や、家庭裁判所への申し立ての代理 → 弁護士などの業務で、探偵が報酬を得て代理すると弁護士法72条にふれます
また、相続人探しは「協議を進めるために所在を確かめる」ことが目的です。相手が事情があって連絡を避けている場合もあります。見つかったあとの連絡は、弁護士など代理人を通すほうが、余計なトラブルを避けられます。
故人の預貯金や不動産の調査は、誰に頼むのか
「相続人」ではなく「相続財産」を調べたい、というニーズも多いのですが、これは探偵の担当ではありません。
故人の預貯金の残高や口座の取引を調べることは、探偵の業務ではありません。金融機関への残高証明の請求は相続人本人ができますし、手がかりが乏しいときは弁護士会照会や、相続税を扱う税理士のルートがあります。不動産は、市区町村の名寄帳や登記で確認します。
探偵が担うのは「人の所在」であって「財産の中身」ではない、と分けて考えてください。財産の調査まで安請け合いする業者には、むしろ注意が必要です。
見つからないまま期限が来たら:家庭裁判所の手続き
手を尽くしても相続人が見つからないとき、遺産分割を前に進める方法が、家庭裁判所に用意されています。
✎ 私の調査メモ
相続人が行方不明のときの、家庭裁判所の主な手続きです(2026年7月時点の一般的な整理であり、個別のケースの法的判断ではありません)。
- 不在者財産管理人の選任(民法25条):行方不明の相続人に代わって財産を管理する人を選び、遺産分割協議を進める方法です。生死が不明である必要はありません
- 失踪宣告(民法30条):生死が7年間明らかでないときに申し立て、認められると法律上は亡くなったものとみなされ、相続が進みます
- どちらも、申し立ての代理は弁護士の業務です。附票の住所に手紙が届かない、探したが見つからなかった、という記録は、申し立ての裏づけとしても役立つことがあります
(出典:民法/家庭裁判所の手続き解説/2026年7月確認)
つまり、探偵の所在調査は「探して見つける」だけでなく、「手を尽くしたが見つからなかった」という事実を、次の法的手続きにつなぐ役割も持ちます。集めた記録は、弁護士や司法書士への相談で活きてきます。
相続人の所在調査を相談できる探偵社
ここからは、相続人・行方不明者の所在調査を扱っていて、料金や届出の情報を公開している探偵社を紹介します。どこも無料で相談でき、契約は不要です。会社ごとに向き・不向きがあるので、そこも添えます。選ぶときは、「戸籍の取得は士業、財産調査は別ルート、探偵は所在まで」という線引きをきちんと説明してくれるかも、目安にしてください。
相続人調査の専用ページを設け、「戸籍謄本・住民票の取得は受けない」と正直に線引きを示している会社です。全国に拠点があります。
原一探偵事務所
- 探偵業届出済
- 全国対応
- 実額を公開
株式会社原一(1977年設立・業歴およそ49年)/全国に拠点
- 料金
- 時間制・定額などの実額を公式サイトで公開
- 届出
- 探偵業の届出あり/行政処分の公表なし
- エリア
- 全国対応
- 気になる点
- 規模が大きいぶん費用は安くはない。見積もりの内訳(経費が込みか別か)を確認
- 相談は無料
- 契約は不要
相続にかかわる所在調査に力を入れていると紹介されることが多く、時間単価を実額で公開している会社です。着手金と発見時の報酬を組み合わせるパックもあります。
MJリサーチ
- 時間単価を実額で公開
- 12拠点の届出番号を公開
- 余った時間は返金
株式会社MJリサーチ(法人番号あり)/全12拠点の届出番号を公開・調査業協会の正会員
- 料金
- 基本44,000円+調査員1名1時間8,800円(税込)・時間単価を公開
- 届出
- 全12拠点の届出番号をテキストで公開/行政処分の公表なし(確認範囲)
- エリア
- 全国対応(12拠点)
- 気になる点
- 特商法の表示ページがなく途中解約の条項は非公開。完全成功報酬プランはなし。総額は予算に合わせた見積り型で、本社は賃貸ビルの一室(2020年設立)
- 相談は無料
- 契約は不要
弁護士法人のグループに属する探偵社です。所在が分かったあと、遺産分割協議や家庭裁判所への申し立てなど、弁護士の手続きへつなぎやすい体制です。解約手数料0円を明記しています。
ALG探偵社
- 調査員1名1時間6,600円(税込)
- 解約手数料0円を明記
- 弁護士法人グループ
株式会社アヴァンセ・インテリジェンス(弁護士法人ALGグループ・資本金6,000万円)/9拠点の届出番号を公開
- 料金
- 調査員1名1時間6,600円(税込)・実働課金/解約手数料0円を明記
- 届出
- 9拠点の届出番号を公開・調査業協会の名簿でも確認/行政処分の公表なし(確認範囲)
- エリア
- 全国対応(9拠点)
- 気になる点
- 「解約0円・即日返金」を担保する特商法・規約ページが公式に見当たらない(訴求はサイト本文)。交通費は実費・完全成功報酬はなし。会社概要に代表者名の記載がない
- 相談は無料
- 契約は不要
複数の会社を一度に比べたいときは、探偵社の比較もあわせてどうぞ。一般的な人探しの仕組みや費用は、人探しを探偵に頼むときでも整理しています。
見つかったあと:空き家や相続手続きの負担
相続人がそろって遺産分割が進むと、次は相続した不動産の問題が出てきます。とくに、誰も住まない実家が空き家として残るケースは少なくありません。
空き家は、放置すると固定資産税の負担が増える場合があり、解体や活用にも費用がかかります。自治体の補助金が使えることもあるので、相続した空き家の解体や活用を考えるときは、空き家の解体に使える補助金(ie-hojokin.com)もあわせて確認しておくと、費用の見当がつきます。
費用の目安
相続人・行方不明者の所在調査は、手がかりの多さと経過年数で費用が動くため、多くの会社が見積もり型です。
✎ 私の調査メモ
公開されている料金の例です(2026年7月確認・各社の目安であり、そのまま総額になるわけではありません)。
- MJリサーチ:基本料金44,000円+調査員1名1時間8,800円(税込)の時間制。着手金+発見時報酬の成果報酬パックも公開
- ALG探偵社:調査員1名1時間6,600円(税込)の実働課金・解約手数料0円を明記
- 原一探偵事務所:相続人調査を扱い、料金は日ごとの体系で見積もり
相場としては数万円から数十万円と幅があります。名前と昔の住所などの情報がそろっているほど短く済み、情報が乏しく年数が経っているほど難しくなります。基本料金や時間単価は入口の金額で、そのまま総額になるわけではありません。
料金の決まり方や、見積もりを同じ条件でそろえて比べる考え方は、探偵の料金はいくら?で整理しています。
当サイトの掲載基準について
当サイトでは、次の条件を満たす会社だけを紹介しています。広告費の多さで順番を決めることはしていません。
探偵業の届出番号、または審査の基準を公開している
紹介する各社で確認
料金の体系を公開している
時間単価や基本料金を公表
国民生活センターなどの行政処分・注意喚起が公表されていない
確認した範囲で該当なし
解約・キャンセルの条件がはっきりしている
会社により差があり、契約前の書面確認をすすめています
総合
上記を満たす会社を、向き不向きを添えて掲載
この分野では、「探偵なら戸籍をたどれる」「財産も調べられる」といった、探偵にはできないことをうたう業者に注意が必要です。だからこそ、戸籍は士業・財産は別ルート・探偵は所在まで、という線引きを正直に説明できる会社かを、先に確かめてほしいと考えています。各社の開示ぶりを採点した一覧は探偵社の情報開示スコアにまとめています。
よくある質問
相続人が一人でも見つからないと、遺産分割はできないのですか?
原則として、遺産分割協議は相続人全員が参加して初めて成立します。一人でも欠けたまま行った協議は無効になるため、行方の分からない相続人がいると手続きが止まってしまいます。まずは戸籍と戸籍の附票で最後の住所をたどり、手紙を出す、という正攻法から始めてください。それでも所在が分からない場合は、探偵の所在調査という選択肢や、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てる、失踪宣告を申し立てる、といった手続きがあります。どの手続きが向くかは事情によるので、弁護士や司法書士に相談しながら進めるのが確実です。
探偵に頼めば、戸籍をたどって相続人を探してもらえますか?
戸籍謄本や住民票を職務として取り寄せられるのは、弁護士・司法書士・行政書士・税理士などの士業で、探偵にはできません。実際に、相続人調査を扱う原一探偵事務所も「戸籍謄本・住民票の取得」は受けない調査として明記しています。「探偵なら戸籍をたどれる」とうたう業者がいたら、避けてください。探偵が担うのは、戸籍や附票で判明した最後の住所に本人がいない、手紙が届かない、というときに、その人が今どこにいるかを外から合法に確かめる所在調査です。まず戸籍でたどる、届かなければ所在調査、という順番になります。
故人の預貯金や不動産などの財産も、探偵に調べてもらえますか?
いいえ。故人の預貯金の残高や口座の取引を調べることは、探偵の業務ではありません。金融機関に対する残高証明の請求は相続人本人ができますし、手がかりが乏しい場合は弁護士会照会や、相続税を扱う税理士のルートがあります。不動産は名寄帳や登記で確認します。探偵が担うのは「人の所在」であって「財産の中身」ではない、と分けて考えてください。財産の調査を安請け合いする業者には注意が必要です。
どうしても相続人が見つからないときは、どうすればいいですか?
家庭裁判所の手続きが二つあります。一つは不在者財産管理人の選任(民法25条)で、行方不明の相続人に代わって財産を管理する人を選び、遺産分割協議を進める方法です。生死が不明である必要はありません。もう一つは失踪宣告(民法30条)で、生死が7年間明らかでないときに申し立て、認められると法律上は亡くなったものとみなされ、相続が進みます。どちらも申し立ての代理は弁護士の業務です。探偵の所在調査で「探したが見つからなかった」という努力の記録は、こうした申し立ての裏づけとしても役立つことがあります。
相続人の所在調査の費用は、いくらくらいですか?
手がかりの多さと、経過した年数によって幅があります。名前と昔の住所などの情報がそろっているほど短く済み、情報が乏しく年数が経っているほど難しくなります。多くの会社が見積もり型で、たとえばMJリサーチは基本料金44,000円に調査員1名1時間8,800円(税込)を積む時間制、着手金と発見時の報酬を組み合わせる成果報酬パックも公開しています。ALG探偵社は調査員1名1時間6,600円(税込)です。相場としては数万円から数十万円と幅があります。無料相談で、自分のケースの見積もりを取って確かめてください。
まとめ
- 相続人は一人でも欠けると遺産分割協議が成立しない。相続登記の義務化(3年・過料10万円以下)や相続税10か月の期限もあり、早めに動くのが得策
- 探す順番は、まず戸籍・附票で最後の住所をたどり手紙を出す正攻法から。戸籍の取り寄せは士業の役割で、探偵にはできない
- 「附票の住所にいない・手紙が返ってくる」ときに、探偵の所在調査が力を発揮する。順番を飛ばして最初から探偵、ではない
- 故人の預貯金・口座など財産の調査は探偵の業務ではない。相続人本人・弁護士会照会・税理士のルートへ
- 見つからないまま期限が来たら、不在者財産管理人の選任(民法25条)や失踪宣告(民法30条)。申し立ての代理は弁護士。探偵の「探したが見つからなかった」記録が裏づけになることも
- 「探偵なら戸籍をたどれる」「財産も調べられる」とうたう業者には注意
相続の手続きは、一つ止まると全部が止まります。けれど、順番さえ間違えなければ、打つ手はあります。まず戸籍でたどる。届かなければ探偵の所在調査。それでも見つからなければ家庭裁判所へ。この流れを持っておけば、頼む先を間違えずにすみます。相談は無料なので、まず話を聞いてもらうだけでも構いません。
参考情報
- 探偵業の業務の適正化に関する法律(e-Gov 法令検索)/警視庁「探偵業法の概要」
- 弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
- 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」(2024年4月1日施行・3年以内・過料10万円以下・経過措置2027年3月31日)/日本司法書士会連合会
- 国税庁(相続税の申告・納付期限は相続開始を知った日の翌日から10か月)
- 民法(第25条 不在者の財産の管理/第30条 失踪の宣告)/家庭裁判所の手続き
- 原一探偵事務所・MJリサーチ・ALG探偵社 各公式サイト(相続人調査・所在調査、料金の記載/2026年7月確認)
- 当サイト調査記事:探偵の料金/探偵社の情報開示スコア/探偵社の比較/人探しを探偵に頼むとき
- 相続した空き家の解体・活用:空き家の解体に使える補助金(ie-hojokin.com)
決めるまえノート編集部
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